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子どもが歯医者を怖がる時の対応は?大泣きを防ぐ声かけと受診のコツ

子どもが歯医者を怖がる時の対応は?大泣きを防ぐ声かけと受診のコツ

歯科医院で泣いてしまうお子様、どう向き合えばよいのでしょうか


受付で泣き出してしまい、そのまま帰ることになった——そんな経験に肩を落とす保護者の方は少なくありません。怖がる気持ちには理由があり、伝え方や慣らし方を少し変えるだけで抵抗がやわらぐ場合もあります。大切なのは、無理強いせず小さな一歩を重ねること。 名古屋市の当院の考え方も交えてお話しします。


この記事の要点まとめ


  • 泣く背景には音やにおいへの敏感さ、見通しの立たなさなどが関係しているとされています
  • 事実を具体的に伝える声かけや遊びでの事前練習が、抵抗の緩和につながる場合があります
  • 段階的な進め方や定期的な通院により、通いやすさが育まれることが期待できます


お子様が歯医者を怖がる主な理由と心理的背景


泣いてしまうのは、わがままでも育て方の問題でもありません。お子様なりの理由があります。まずはその正体を知ることから始めましょう3


見慣れない機械音やにおいに対する感覚的な恐怖心


診療室には、薬品のにおい、器具の高い音、口元を照らす強い照明——日常にはない刺激が集まっています。大人でも身構える場所ですから、感覚が育つ途中のお子様が警戒するのは自然なこと。とくに音やにおい、触られる感覚に敏感なお子様は、処置が始まる前の段階でつらさを感じている場合もあります。泣く理由が痛みではなく、環境そのものへの反応であるケースは珍しくありません。 イヤーマフや使い慣れたぬいぐるみの持参など、刺激をやわらげる工夫については事前にご相談ください。


見通しが立たないことへの不安と保護者の緊張の伝染


もう一つは「これから何をされるか分からない」という不安です。椅子が動く、知らない人が顔を近づける、口の中に何かが入る。予測できない出来事が続けば、防衛反応として泣いたり体を固くしたりするのも無理はありません。


そして、保護者の緊張も伝わります。「また泣いたらどうしよう」「周りに気を遣わせたくない」という焦りは、声のトーンや手を握る強さから敏感に読み取られるもの。深呼吸をして、普段どおりに話しかける。それだけでも受け止め方が変わってくることがあります2


大泣きを防ぐ受診前の声かけと家庭での準備【よくある誤解を解消】

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受診前の数分の会話が、当日の様子に影響することもあります。ご家庭でできる準備を整理しました34


「痛くないよ」が逆効果になりやすい理由と事前の伝え方


良かれと思って口にしがちな「痛くないよ」「すぐ終わるよ」。ところが「痛い」という単語そのものが、まだ知らなかった恐怖のイメージを伝えてしまうことがあります。実際に少し不快に感じる処置があれば、「話が違う」という思いにつながる場合も考えられます。


伝えるなら、事実を穏やかに、具体的に。「歯を数えてもらおうね」「お口を見せるだけだよ」「イスが少し倒れるよ」なら、約束を守りやすくなります。処置がある日は「いやだったら手を挙げていいよ」と合図を用意しておくと、気持ちの支えになることもあります。


絵本やおままごとを活用した事前シミュレーション


遊びのなかで流れを体験しておく方法も知られています。歯科医院が舞台の絵本を一緒に読む、ぬいぐるみを患者役にして「あーんしてみようね」と歯を数える。ご家庭の仕上げ磨きで「1、2、3」と数えながら口を開ける練習をしておくと、診療台でも同じ流れを思い出しやすくなります。前日に一度、当日の朝にもう一度。繰り返すうちに、予測できる出来事へと変わっていきます。


受診後に小さな頑張りを具体的に褒める工夫


処置がどこまで進んだかにかかわらず、できたことを認めてあげてください。「泣かなかったね」ではなく「自分でイスに座れたね」「あーんを3回できたね」と行動を言葉にすれば、何が良かったのかが伝わります。シールや帰り道の小さな楽しみも、できた経験を形に残す助けに。次回への意欲は、できた事実の積み重ねから育っていきます。


無理強いをしない小児歯科の段階的アプローチと受診のコツ

無理強いをしない小児歯科の段階的アプローチと受診のコツ

歯科医院側にも、怖がるお子様に配慮した進め方があります。どのような対応が受けられるかを知っておくと、通院先を選ぶ際の目安にもなります134


器具や環境に少しずつ慣れるTell-Show-Do法


小児歯科で広く用いられている進め方のひとつがTell-Show-Do法です。言葉で説明し(Tell)、器具を見せて手に触れてもらい(Show)、納得できたところで処置へ進む(Do)という三段階の考え方を指します。


初回は診療台に座るだけ、次は口を開けて数えるだけ。課題を小さく分け、機械の振動を手の甲で体験してもらう。段階を踏むことで「知らないもの」が「知っているもの」へ変わっていきます。遠回りに見えて、通いやすさにつながる方法とされています。


保護者の診療室同伴と母子分離の判断基準


付き添うか離れるかは、お子様の性格によって異なります。手を握ると落ち着くタイプもいれば、保護者がいると甘えが出て、離れた方がスタッフの話を聞けるタイプもいます。


目安としては、3歳前後までは同伴で落ち着ける状況を優先し、就学前後で本人が「一人で行ける」と言えるなら少しずつ離してみる、という進め方。1〜2歳では、保護者の膝の上に寝かせた姿勢で口の中を確認する方法もとります。どちらが合うかは、スタッフと相談しながら決めていきましょう。


痛む前の定期検診で「歯医者は怖くない場所」にする習慣化


負担が軽いのは、痛みが出る前から通い始めることです。フッ素塗布や歯みがき指導、口の中のチェックといった負担の少ない内容からなら、歯科医院は「痛いことをされる場所」ではなく「ときどき行く場所」として記憶されやすくなります2


当院では、一人ひとりのペースに合わせて説明を重ねながら診療を進めることを大切にしています。名古屋市中川区でご家族そろって通える環境づくりに取り組み、CTやセファロ、iTeroといった設備を備え、お口全体の成長や歯並びの経過も含めて長期的にご相談いただけます。通院が習慣になることで、いざ処置が必要になったときの負担が軽くなることも期待できます。


なお、顔の腫れ、強い痛み、転倒による歯の外傷などがある場合は、泣いていても早めの受診をご検討ください。状況によっては笑気吸入鎮静法などを用いた対応も検討します。まずはお電話で状況をお伝えいただければ、進め方をご案内します。


よくある質問


Q1. 歯科医院が怖くて行きたくないと言われたときは、どう伝えればよいですか?


A. まずは「怖いんだね」と気持ちを受け止めてください。否定されないだけで落ち着くことがあります。そのうえで「今日は座って歯を数えるだけ」など、その日にやることを具体的に伝えると見通しが立ちやすくなります。大人の方ご自身が苦手な場合も、事前に受付でお伝えいただければ、配慮した進め方を検討します。


Q2. 診療中に体が動いてしまうときは、治療を進められないのでしょうか?


A. 状況によります。緊急性が低ければ、その日は慣れる練習だけにして日を改める選択肢もあります。一方、腫れや強い痛みなど早めの対応が望ましい場合は、体を支えて短時間で処置を行ったり、笑気吸入鎮静法などの方法を検討したりすることもあります。判断は診察のうえでご相談します。


Q3. 小学生になっても歯科医院が苦手なままです。どうしたらよいですか?


A. 年齢が上がると、理屈での説明が伝わりやすくなります。「なぜ通うのか」を本人に伝え、処置の内容や所要時間を具体的に共有してみてください。手を挙げたら中断するといった合図を決めておくと、自分で状況を調整できる感覚が持て、抵抗がやわらぐ場合があります。


Q4. 一度大泣きした歯科医院に、また連れて行ってもよいのでしょうか?


A. 事情をお伝えいただければ、多くの歯科医院は前回の様子を踏まえた進め方を考えます。抵抗が強いようなら、待合室で絵本を読むだけ、受付で挨拶するだけ、といった段階から再開する方法もあります。無理に押し切らず、通う頻度を保つことを優先しましょう。


Q5. 感覚過敏や発達の特性がある場合、事前に伝えた方がよいですか?


A. ぜひお知らせください。苦手な音やにおい、姿勢の取り方などを共有いただければ、照明の角度を調整する、予約時間帯を工夫するなどの対応を検討できます。ご予約の際にお伝えいただくと、より準備がしやすくなります。


参考文献


1. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/

2. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(口腔・歯の健康)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/teeth

3. 日本小児歯科学会 https://www.jspd.gr.jp/

4. 公益社団法人 日本歯科医師会 https://www.jda.or.jp/


長坂 健央

歯科医師


中川ファイン歯科・矯正歯科・ファミリー歯科

理事長

長坂 健央

▶ 監修者プロフィール

経歴
2011年 愛知学院大学歯学部 卒業
2011年 愛知学院大学歯学部附属病院 総合診療科
2012年 医療法人日進会 名古屋矯正歯科勤務
2015年 医療法人 吉田医院 常勤
2015年 愛知学院大学歯学部助教(非常勤)
2016年6月 長坂歯科・矯正歯科開院
2018年 論文発表
2019年 医療法人社団 健正会 理事長 就任
2020年 歯学博士 取得
2020年 愛知学院大学歯学部講師(非常勤)
2021年 金山ファイン歯科・矯正歯科 開院
2024年 名駅ファイン歯科・矯正歯科 開院
2024年 Fine歯科 開院
2026年 中川ファイン歯科・矯正歯科・ファミリー歯科 開院
資格・所属学会
日本矯正歯科学会
日本成人矯正歯科学会
日本舌側矯正歯科学会
日本顎咬合学会 認定医
DFG
日本老年歯科医学会
日本摂食嚥下リハビリテーション学会
インビザライン認定医
東海リンガル研究会
歯科から医療を考える会幹事
厚生労働省認定指導医
日本歯科医師会
愛知県歯科医師会
中区歯科医師会